食・楽・健康協会は糖質制限に関しての多岐にわたる活動を行っております

食・楽・健康協会

糖質について

糖質とは?

糖質イメージ

家庭科でエネルギーのある栄養素として三大栄養素というものを教わった方は多いのではないでしょうか?一般に三大栄養素とされてきたのは、炭水化物、脂質、蛋白質の3つです。これにミネラルとビタミンという、エネルギーをきちんと燃やしていくのに必要な栄養素を含めて五大栄養素とも呼ばれます。これらの中で、炭水化物には、人間が直接的にエネルギーとして利用できる部分(糖質)と、直接的にはエネルギーとして利用できない部分(食物繊維)とがあります。

いろいろな生活習慣病に対して、糖質摂取は促進的に、食物繊維摂取は予防的に働くため、これらを区別しようという考え方が普及してきました。糖質制限食では、糖質を1食20-40g、1日70-130gに制限して、エネルギー無制限、脂質無制限、蛋白質無制限、食物繊維無制限とします。糖質は欧米では、available carbohydrateとかnet carbohydrateと呼ばれたりしますが、糖質制限食にあたる用語はなく、一般にlow-carbohydrate diet(直訳すると低炭水化物食)と記載されることが多いです。

糖質制限食の医学的意義

いろいろな医学的研究法の中で、もっとも因果関係を見極めやすいと考えられている研究デザインが無作為比較試験のメタ解析という研究法です。Santos先生が2012年に国際肥満学会の機関誌Obesity Reviewsという雑誌に報告した無作為比較試験のメタ解析によると(Obes Rev 2012, 13, 1048-1066)、糖質制限食は
①体重減量
②血糖改善
③脂質改善
④血圧改善
に有効でした。このことは、今の日本の中年男性の2人に1人がメタボリックシンドロームかその予備軍と言われる中で、この糖質制限食がそうした人たちの将来の心臓病や脳卒中を救うということになります。また、最近ではエネルギー制限食が骨や筋肉を削ってしまうことが報告されていますが(Diabetes Care 2014, 37, 2822-2829)、女性が美容のために痩せようとする際にも、糖質制限食であれば骨や筋肉を削ることなくスリムになることができるだろうというわけなのです。

食後高血糖の問題点

さらに、一般には栄養素の中で血糖値を上昇させるのは糖質のみであると考えられていますが、この食後高血糖が平均的な血糖値とは独立して動脈硬化症や認知症に関わることが知られていますし、食後高血糖によって生じる酸化ストレスはがんに関わっています。糖質制限食で食後高血糖を抑制できれば、こうした疾患も予防できるだろうと期待されています。

糖質が少ない食品と多い食品の分類表

糖質が少ない食品と多い食品の分類表

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